診療内容

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機能外科

てんかん

難治性てんかんの外科治療

てんかんの有病率は100人にひとりとされ、多くの患者さんがおられます。かつては疾患に対するネガティブなイメージが先行し、病名を隠すことが普通に行われていましたが、そうした偏見は過去のものとなりつつあります。

現在はてんかんについての医学的な理解が深まり、数々の有効な治療薬が世に登場しています。治療の原則はあくまで抗てんかん薬による内科的治療であって、半数以上が上手にコントロールされると言われます。

しかし一方で、適切な薬物治療を行っても発作が抑制できないてんかんの患者さんもあり、一部の方に手術が行われます。その適応(手術をすべきか否か)は患者さんおひとりおひとりごとに検討され、病態に応じて適切な術式を選択します。とりわけ側頭葉てんかんに対する手術成績が、内科的治療に比べて圧倒的に良好な発作消失率を達成することが明らかになってから、てんかんに対する外科治療の役割は増える一方です。

日本てんかん学会は、2から3種類以上の抗てんかん薬を2年間以上使っても発作が抑制されない場合に、これを「難治性てんかん」として外科手術を含めたほかの治療法を検討するよう推奨しています。

かかりつけの先生がたからご紹介を頂戴すると、まず外来で手術の可能性を検討し、適応が期待される場合には検査目的に1週間程度のご入院をお願いしています。必要に応じて外来もしくは再入院で検査を追加し、その結果をもとに具体的な手術方法を決定します。

手術の際の入院期間は、特別な場合を除いておおむね10日から2週間程度。このほか、術後半年と2年程度とに、術後の検査目的にご入院お願いする場合があります。

手術の多くはてんかんの原因となっている脳の一部を切除するもので、術後に合併症を残さず、生活に不自由な障害が及ばないよう十分に配慮せねばなりません。治療方針についてはご本人、ご家族の皆様にわかりやすくご説明し、ご理解いただけた場合に手術を行います。

どうぞご安心のうえ、ご遠慮なくご相談ください。

担当医:荻野雅宏